下市口駅から奈良交通のバスに乗り換え、約1時間。
バスを降りると懐かしい気持ちになる香りにふわり包まれた。そして鳥居の奥から響く声。
お経だ。
そしてこの香りはお線香。
でも、
ここは神社。
なのにお経とお線香…なぜ?
響いてくるお経の声の圧が強くて、その声の方(本殿)へ近づけないような気分になる。
鳥居を一礼してくぐり、手水舎で清めても、まだ響く声に近づいて行き難い。
社務所は開いているけど、人がいない。
しばらくウロウロとしていたら、今度は引き寄せられるように、本殿への階段を登り始めた。
本殿の中に入ると、
階段の中段で白行衣を着た3名の方が朗々とお経を唱えていた。
しばらくしてお経が終わると太鼓が叩かれた。
そのあと、神職の方が祝詞をあげた。
全てのことが終わったあと、
神職の方が
「みなさん一列に並んで」と、
下にいた私を含めた7名ほどの人に声をかけた。
私も並んでいいものか…と最初は躊躇したものの、そうする必要があるように思えて列に加わった。
そうして私のように途中から見ていた全ての人が神殿の前に並ぶと、お経を唱えていた白行衣のうちの一人の坊主の方が降りてきて、私たち一人一人に数珠を持った手で頭をぽん、ぽん、と叩いていった。
そのあと、
神職の方が
「今日はこのあと音楽の奉納もあるので、時間がある方はぜひ見ていってください。」と話して奥へ戻っていった。
何がなんだかわからないけど、
なんだかとてもよい機会をいただいた気がする…。
社務所へ行き、坊主の方について伺ったら、
長野の善光寺のご住職とのこと。
私はここ20年ほど毎年、相方の実家・長野県へ行き、初詣に善光寺と北向観音へ行っている。
長野善光寺とのつながりに、この地で触れることができた事がなんだか不思議で…でもなんだかあったかい気持ちになった。やはり今日、今、この時間だったんだと…ここに来たことが腑に落ちた。
このあと、神奈川県から来たクリスタルボールミュージックの奏者と歌い手さんによる奉納パフォーマンスが行われた。
参拝に来ていた数名の方と一緒にやわらかくしなやかにびびく音色を聴きました。
神様へ向けての演奏、パフォーマンスをした2人は、とても緊張されているように見えました。でも最後までやりきったあと晴れやかな表情になっていて…。
芸をみせることの厳しさと喜び…私も感じさせていただきました。